50代からのベトナム語学習:「話したい」のに伸び悩むのはなぜ?実習生との会話を豊かにする「逆転の発想」

現在、弊社のベトナム語講座をご受講いただいている方の多くが、「職場でベトナム人技能実習生と顔を合わせる」という方です。
それも、なぜか50代の女性の方が多い…。
私も同世代ですが、その意気込みや努力には、感服させられることがとても多いです。
「もっとベトナム語で話せたら」というその思い、本当に素晴らしいです!

しかし同時に、ベトナム語学習をスタートさせたものの、「なかなか覚えられない」「文法が難しくて進まない」と、壁にぶつかってしまう方も、やはり少なからずいらっしゃいます。
50代からの新しい挑戦には、特有の壁があるもの。

でも、安心してください。それはあなたの能力のせいではありません。
もしかしたら、学習の「やり方」に、少し修正が必要なだけかもしれません。

「覚える量」より「使える質」:ベトナム語の落とし穴

多くの語学学習者は、大学受験の経験から、まず「単語帳を制覇しなきゃ」「文法書を最初から最後までやり遂げなきゃ」と考えがちです。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
私たちが目指しているのは、「テストで良い点を取ること」でしょうか?それとも、「実習生の方と心を通わせるコミュニケーション」でしょうか?

答えは、もちろん後者ですよね。

外国語での「会話」においては、

  • うろ覚えの3,000語
  • 自信を持って使える300語

のどちらが役に立つでしょうか?

20年以上の経験から断言できますが、自信を持って挨拶ができ、ちょっとした世間話ができる「使える300語」のほうが、圧倒的に価値があります。

目標は「四技能のバランス」にシフト

この「使える言葉」を習得するための鍵は、「覚える言葉の選択」と「四技能のバランス」です。

まず、闇雲に言葉を覚えようとせず、「これは今の自分に必要な語彙なのか」選択すること。
必要なさそうなら、覚えるのはずっと後回しで構いません。

そして、文字(読む・書く)や単語の暗記に偏りがちですが、実際に会話をするためには、「話す」と「聞く」がおろそかになってはいけません。

大切なのは、その基礎となる300語を「話す・聞く・読む・書く」のすべてで使えるように、繰り返し練習することです。

例えば、新しい単語を一つ覚えたとします。

  1. 読む: その単語を正しく読めるか
  2. 聞く: 実習生の方の口から出てきたとき、瞬時に聞き取れるか
  3. 書く: メモ書きやチャットで、正しくタイプできるか
  4. 話す: 躊躇なく、通じるレベルの発音と声調で口に出せるか

この四つのステップを踏むだけで、その単語はあなたの「財産」となり、実際のコミュニケーションで即座に役立つ「生きた言葉」に変わります。

焦りは禁物!毎日少しずつ、接触の回数を増やす

50代からの学習で最も大切なのは、「継続性」です。

モチベーションが高い日に3時間まとめて勉強するよりも、「毎日15分、ベトナム語に触れる時間」を作る方が、語学学習においては圧倒的に効果があります。

短い時間でいいので、毎日、実習生との会話をイメージしながら、昨日学んだ3つのフレーズを声に出してみましょう。

【今日からできる具体的なアクション】

  1. 目標を再設定: 「単語帳の半分を覚える」ではなく、「単語帳の中から、本当に必要な基礎語彙をセレクト」する。
  2. 音声を重視: AIでも構いません。必ず音声を聞き、その音をそのまま真似る練習をしましょう。特に声調を真似ることが、聞き取りにもつながります。
  3. 短いフレーズで会話: 実習生の方に「お疲れ様」「ありがとう」といった短いベトナム語を、笑顔で積極的に使ってみる。使った言葉は忘れません!

職場のコミュニケーションという具体的な目標があるあなたは、最高の学習環境を持っています。
ぜひ、「量より質」の学習法に切り替えて、ベトナム人実習生の方との距離をぐっと縮めていきましょう。

応援しています!

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